ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

プチモテ

こんばんわ。今日もただなんとなく書きます。

 

バイクに乗って山道を走る。

 

対向車のバイクが手を振ってくれる。

 

初め、この習慣を知らず、

 

なんだ!?知り合いか!?取り締まりか!?

 

ただ、ただ、あたまに『?』が浮かぶだけ。

 

今じゃ、喜んで手を振るよ。

 

 

誰も歩く人がいない様な山道に、

 

おばあちゃんが座り込んでいた。

 

なんだよ…こええな…

 

そう思ったが、手を温めてる姿に、

 

なんとなくUターンをかます

 

だ、大丈夫ですか!?

 

僕は声をかけた。

 

『息子が下の温泉にいるんだけど、

 

酔っ払ってるから迎えに来ない』

 

そんな事を話すもんだから、可哀想になった。

 

 

この山道、行き先を書いた画用紙を掲げる

 

ヒッチハイカーはいるし、

 

車の中でカーナビいじってると

 

『乗せてください!』とか言って、

 

車のドアを開けてくる奴もいる。

 

こんなやべぇとこにいさせたら怖いよね。

 

暇だったし、僕も隣に座り

 

飲酒運転でこれから来るという息子を待った。

 

手袋を外し、おばあちゃんの手を触った。

 

『冷たッ!!凍りそうじゃんか』

 

…セクハラじゃないからね。

 

『あんたの手はぬくいなぁ』

 

おばあちゃんは言った。

 

僕の手袋は、バッテリーが付いてて、

 

寒いお手手をあっためてくれるんだ。

 

おばあちゃんとたわいもない話をしながら、

 

僕はその手袋をおばあちゃんにつけさせた。

 

おばあちゃんは、

 

何個か割れた卵パックを僕にくれた。

 

『昔のアタシなら、あんたをほっとかないよ』

 

あはは。プチモテ。

 

 

フラフラと軽トラが来た。

 

話には聞いていたが、本当に酔っている。

 

息子が、真っ赤な顔で母親を迎えに来た。

 

集落ならではの光景なのかと

 

僕は2人に手を振った。