ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

記憶の扉

こんばんわ。今日もただなんとなく書きます。

 

生まれて初めてパチンコで買った時、

 

WANDSの『時の扉』をあまり玉で交換した。

 

どうでもいい事を今この題名で思い出した。

 

 

今日、友達のお寿司屋さんの家で遊んでいたら

 

家の劣化して隙間のできた部分に、

 

小さな木の板をはめていた。

 

『なにこれ?』

 

僕はそれを引き抜く。

 

(やめろよ!家が崩れるだろぉ!)

 

友達が笑った。

 

その板を手に持って、裏返した時、

 

体に一瞬、電気が走った気がした。

 

『紀文』と、焼印が押された板…

 

 

僕は海にいた。

 

夏休み、親戚と遊んでいた。

 

堤防の下の、夜の砂浜。

 

そこでおじちゃんが花火で遊んでくれる。

 

花火遊びの最後ってなんか寂しいよね。

 

『来年の夏も、またおいで?』

 

おじちゃんと会話したのはそれが最後。

 

次の夏を迎える事なく、

 

おじちゃんは結核で亡くなったと聞いた。

 

 

おじちゃんは、きぶんのおじちゃん。

 

そう呼ばれていた。

 

気分屋だからなのかな?ってその時は思ってた。

 

いつもベストを着ていて、

 

胸ポケットから出した木の板で

 

いろんなものを作ってくれた。

 

遊ぶ時は、いつも砂浜。

 

正月と、夏休みにここに来ていた。

 

走るとすんげぇつかれる。

 

今はもうやらないよね。

 

凧。正月の海でやるやつ。

 

目ん玉の大きな、イカみたいなやつ。

 

あれを僕に買ってくれて、

 

余った凧糸を、その木の板に巻いた。

 

砂浜で凧をあげると、

 

なんか不思議な気持ちになる。

 

自由に空を泳ぐ凧が、ただ羨ましかった。

 

 

家に帰って凧をあげると、そうはいかない。

 

すぐに電線に絡まってしまった。

 

休みが終わり学校が始まると、

 

電線の凧は、日に日にしぼみ、

 

真っ黒になってしまった。

 

学校の帰り道、この凧の姿を見ていると、

 

金魚すくいの金魚の様に

 

持ち帰るべきではない物って印象がある。

 

 

寿司屋で引き抜いた板…

 

は!!っと、我に帰る。

 

紀文のおじちゃん…

 

そうか!!

 

かまぼこの板だったのか!!!

 

あのおじちゃんは、いつも大量に

 

あの板を持ち歩いていた。

 

浜辺で焚き火をする時。

 

削っておもちゃを作る時。

 

なんかの絵を描いて遊ぶ時。

 

で、でも、なんであんなに持ってたんだ??

 

昭和の謎の一つだな。

 

そんな事を今日思った。