ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

言えなかった気持ち

こんばんわ。今日もただなんとなく書きます。

 

高校の時、初めは電車で通うも、途中から

 

バイクで行った方が早い事に気がついた。

 

おまけに、高校の最寄り駅のそばに、

 

友達が一人暮らしを始めたんだ。

 

仲が良すぎるくらいだったので、

 

向こうから言われた。

 

『ここにバイク止めなよ!』と。

 

快適すぎる環境。

 

部屋の真ん中に灰皿置いて、

 

漫画読んだり、ゲームしたり。

 

 

彼は言った。

 

『まだみんなには言わないで?』

 

うん。と、僕は答える。

 

他にもこういう家はいくつかあり、

 

僕らは溜まり場にしていた。

 

 

僕の家もそうで、高一で引っ越した家は、

 

僕らが出たら壊すと言う不思議な契約の家。

 

2部屋でボットン便所の、ぼろ家から、

 

8部屋もある一軒家に引っ越した。

 

元、大家さんが住んでいたとの事で、

 

同情から借りれた様な物でした。

 

2部屋ボットン便所の家を

 

一番最後まで立ち退き出来ず、困っていたら来た話。

 

家賃は3万5千円。 車は6台置けた。

 

そんな家に、父親と2人で暮らしていました。

 

この話はまたいつか書きます。

 

 

溜まり場…

 

それを避けたいのかな?と思ったら、

 

実は、妹が来ると言うのだ。

 

親元を離れ、兄妹で暮らす。

 

兄しかいなかった僕には羨ましすぎる事。

 

 

妹が来た。

 

恐ろしいくらいの美貌。

 

こんな可愛い妹がいたら、僕の人生は

 

どんな感じだったのだろうか。

 

ただただ、羨ましい。

 

初日から僕に懐いてくれて

 

向こうも『兄がもう1人増えた ♪  』と喜んでくれた。

 

 

3人でホットプレートでホットケーキ焼いたり

 

ゲームをしたり、ビデオを観たり。

 

駐車場でバドミントンしたり。

 

僕がよく顔を出した金曜日は、

 

妹を真ん中に、3人で川の字になって寝た。

 

当時の僕は、寝た時の姿勢のまま、

 

朝まで動かないという不思議な寝方をした。

 

おかげで2人は、起きるたびに、

 

僕が息をしているか確認する事があったそうだ。

 

 

僕にとっての天国は、終わりを迎える。

 

彼の一人暮らしは、学校の先生が言った一言で

 

バレてしまったんだ。

 

今の様に、個人情報なんか保護しないから、

 

普通に学年名簿とかあったし、

 

先生も、普通に家族構成をバラした。

 

 

友達が集まる。

 

賑やかなのはいい事だが、

 

3人で ということが激減した。

 

誰とでも仲良く出来る彼の妹は、

 

一瞬で人気者になった。

 

とられた感があり、切ない気持ちになる。

 

 

僕らのバイクに興味を持ち、原付に乗りたがった。

 

一緒に原付免許の勉強して、原付乗れるようにしたり

 

縁側に置いた、アリの巣コロリで、

 

アリを可愛がったり。まるで昨日のことみたい…

 

僕は、この妹の事、大好きになっていた。

 

そこに追い打ちが来る。

 

僕の様に、頻繁に来る友達が言った。

 

『俺、あの子の事好き。協力して欲しい』

 

僕は、この言葉で身を引くことにした。

 

 

ポケベルはあるが、まだ固定電話しかない時代。

 

家でのんびりしてたら、電話が来た。

 

『いまからこなぃ?』

 

アホみたいに暇だったので向かった。

 

賑やかなんだろうと思ったら、

 

妹しか家にいなかった。

 

何を思ったか、家に入るなり、

 

僕は、寄生獣という漫画を妹にあげた。

 

後で聞いた話では、全部揃えたらしい。

 

 

2人でゲームで遊んだ。

 

外国のゲームで、自転車、スケボー、リュージュ

 

殴りあって一位を競う。名前が思い出せない…

 

妹のチャリが一位かと思われたが、

 

路上に異常な停め方をしてる

 

ラクターにぶつかり順位を落とす。

 

2人で爆笑する。

 

ふと気がついた。

 

妹が時々、僕の顔を見つめている。

 

小学生の時、似た様な事をされた事があり、

 

思わず舞い上がりそうになった。

 

 

ゲームを終えて縁側に出る。

 

ボロボロの人工芝の横に、

 

アリの巣があった。

 

僕らはこのアリを可愛がり、

 

いろんな物をあげた。

 

暇なら試してみてね。

 

アリの巣コロリというものがある。

 

緑のケースに殺虫剤が入っているんだ。

 

殺虫剤を取り除いて、餌を入れるのだ。

 

これは、この妹が考えた技で、

 

兄がアリを殺そうとしたのを救った。

 

人に心を許したアリは、いつの日からか、

 

このケースの中に、サナギを運ぶ。

 

土の上なのに、部屋として使い始めるんだよ。

 

 

『今日は、僕の爪をあげよう!』

 

僕は爪を切り始めた。妹は笑う。そんなのあげないで

 

ヤスリで爪を削ってたら、粉末でくしゃみが出た。

 

その時、アリの巣の上に、僕の鼻から出た、

 

鼻毛のついたハナクソが落ちた。

 

なんと、アリは、それを巣に運んで消えた。

 

最ッ低ッ!!妹は笑う。僕も笑った。

 

笑いの後に、無言で見つめてくるので、

 

僕はカッコつけて、軽く微笑んでみる。

 

そこに兄が帰宅して来た。

 

2人で縁側にいる姿に、驚き笑う。

 

僕は気持ちを最後まで伝える事はできなかった。