ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

8軒の貸家

こんばんわ。今日もただなんとなく書きます。

 

今でもたまに見る。貸家の平屋。

 

部屋は2部屋。

 

ボットン便所。

 

屋根のアンテナは倒れてる。

 

あぁ…懐かしい。

 

僕は、これに住んでいたんだ。

 

そばには、ハモニカ長屋というのもあり、

 

そっちは、全部の家がつながってる。

 

壁を叩けば、隣に聞こえる。

 

いや、縁側に出れば、隣の人と縁側で話せる。

 

昭和って感じだね。

 

 

スーパーファミコンで、

 

アクトレイザー』というゲームがあった。

 

最初のレベルで建つ家を、

 

みんなは、ボクの家と笑った。

 

僕も笑う。油断してると、

 

デカい鳥に連れ去られそうだ。

 

 

実際この頃、この家は、だいぶガタがきて

 

ドアノブが取れたり、

 

学校から帰ると、玄関のドアが開いたままだった。

 

兄も出て、母親も出ていったこの家に、

 

父親と2人で住んでいました。

 

 

男だけの暮らし、そして僕は子供。

 

アホだった事もあり、父親を手伝う事はできなくて、

 

結構苦労をかけてしまったかもしれない。

 

 

僕の学ランが、古い木の匂いがする。

 

クワガタを採りに行った時の朽木の様。

 

しない時は、だいたいタバコ臭い。

 

風呂場には、足の長いクモが沸く。

 

ユウレイグモって言うのかな。

 

頭を洗ってると、たまにこいつが背中を歩く。

 

不気味なクモで、共食いを頻繁にする。

 

頭にリンス付けてるその横で、

 

このクモは、よく仲間をぐるぐる巻きにしてた。

 

父親は古い人なのか、固形石鹸を愛用した。

 

石けんに歯形があり、父親は僕に

 

お前、石けん噛むのか?と笑う。

 

父親は、犯人をわかっているみたいだが、

 

そんな事を言ったのだ。犯人は、ネズミ。

 

こいつを倒す時に、毒を使うと、

 

不思議なことに、明かりを求めて出てくる。

 

一度、ねずみ取りを置いた。トリカゴみたいな奴。

 

こんな物見た事なくて感激したのだが、

 

大人になってネズミトリやってる!!と聞くと

 

交通違反よりも、このトリカゴが浮かぶ弊害が残る。

 

 

このネズミトリのトリカゴにネズミが入った。

 

嬉しくて父親に見せようとしたら、

 

夕方には、大きさの違うネズミが入っていて

 

元々いたのがいなくなっていた。

 

自由に出入りできたのだ。

 

 

晩飯食べてると、天井から粉が降って来て

 

あわてて座る位置を変える。シロアリだ。

 

もっとあるが、みんなに嫌われそうなのでやめる。

 

あ、元々嫌い?  そうですか…

 

 

こんな感じの家が8軒あり、

 

前の記事でも書いた幼なじみもここにいました。

 

そんなある日、

 

ここを出ていって欲しいという通達が来た。

 

ここをマンションにすると言う。

 

と言っても、そこに住めるわけではない。

 

生活水準の高い人達が暮らすマンションです。

 

あっという間に、6軒になった。

 

重機が、2軒を壊す。ああぁ…

 

幼なじみも出ていくと言う。

 

うちの親は仕事をしながらだから

 

出ていく気配がなかった。

 

 

幼なじみが出ていった。

 

次々と他の人も。

 

2軒になりました。

 

残る住人は、高齢のおばあちゃんでした。

 

風邪をひいたまま病院から戻らなかった。

 

重機が来て、うちの家だけ残してみんな壊した。

 

 

高1の時、家庭謹慎を喰らい、自宅にいた。

 

反省を見る為の先生の訪問は、

 

車で来るかと思いきや、駅から徒歩だった。

 

歩いたら、40分近くかかるだろうに…

 

なんか飲むかなと思って、

 

『上がりますか?』と聞いたら

 

無理♫ と言われた。

 

普段笑って話せる先生なので、

 

のちに、これをネタにされて、よくからかわれた。

 

 

不憫に思った大家さんが、

 

ここから6駅ほど離れたとこに、

 

昔住んでた古い家があって、

 

それを貸してくれると言った。

 

そしてこの家での生活は終わりを告げました。

 

 

今でもこのタイプの貸家を見ると

 

ただいま!って帰りたくなるよ。