ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

キツネ号

おはよう。今日もただなんとなく書きます。

 

小学3年からずっと欲しかった、

 

スーパーカー自転車と言うのを

 

やっと5年生で手に入れた。

 

もう人気は下火で、乗ってるやつは皆無。

 

この自転車の画像を、お手間でなければ、

 

見てあげて欲しい。

 

スーパーカー自転車』 検索 カチッ。

 

僕が今でも、車のマニュアルを乗るのは

 

知らずのうちに、

 

キツネ号を思い出してるのかもしれない。

 

 

自転車に、勝手にキツネ号と名前を付けた。

 

夜間、ライトを付けると

 

地面に、キツネみたいな形の照射が出る。

 

初めて乗った、ギア付きのチャリ。

 

だけど、世間は、カマキリタイプか、一文字。

 

そんなハンドルの自転車ばかりになっていた。

 

 

僕らは、1人と一台。いや、1匹か。

 

どこでも行った。

 

行くゼ!キツネ号!!  

 

ブーン!!

 

森だって、隣町のプラモデル屋だって。

 

この自転車には、ある欠点がある。

 

前カゴが無いのだ。

 

 

床屋で読んだ『美味しんぼ』という漫画が

 

僕は好きになった。ちまちま集めてたんだ。

 

小学生のお小遣いは、たかが知れてる。

 

古本屋に行くんだ。

 

すごい雪の日だった。

 

僕は、つま先まで冷える中、

 

二つ駅の離れた古本屋に行った。

 

美味しんぼ』を入手して帰る。

 

雪で転んだ。

 

ズササササッ!!

 

カゴの機能が低いキツネ号から、

 

漫画が飛んでいった。

 

痛みの残る身体を起こし、

 

僕は漫画を拾った。

 

美味しんぼ』9巻 再会の丼

 

僕はこのタイトルを死ぬまで忘れない。

 

 

ほんと、このチャリは、荷物を積む事が出来ない。

 

友達は、このタイプのチャリに

 

ドラクエ2』を入れていたら

 

目的地に着いたらなかったと言う。

 

でも、そんなところもまた、このチャリの魅力なのさ

 

 

僕と1匹。

 

キツネ号との別れは突然訪れた。

 

2歳歳上の奴と喧嘩をした。

 

簡単には負けない。

 

決着はつかなかったが

 

遺恨を残した。

 

 

ある日、帰ろうとしたら

 

キツネ号が、めちゃくちゃに壊れていた。

 

!!!!キツネ号!!!何があった!!!

 

タイヤまでひしゃげ、すごい力を食らっていた。

 

犯人は、分からない。

 

でも、踏みつけたり、蹴ったりしてる人がいた。

 

そんな話を聞かされた。

 

うああぁあああァッ!!!

 

僕のキツ…いや、チャリ!

 

恥ずかしい名前を友達の前で言えなかった。

 

 

友達は、ある計画を思いつく。

 

この恨むべき相手は

 

この夏休みに、田舎にチャリで帰ると言う。

 

それを狙うというのだ。

 

こいつは有数の策士。僕のブレインで

 

復讐をやらせたら僕の考えつかない事をする。

 

ある団地は、自転車を守る4桁の鍵が

 

全部一個ずれてるだけで、

 

保安が甘いと言う。

 

これ以上聞くのは、耳が腐るので

 

当日を待った。

 

 

当日。奴は友達に送り出され

 

僕らの街を出発した。

 

いい気なもんだぜ。

 

夏休みの朝に、わざわざ

 

呼び出されてる友達が可哀想だ。

 

後を尾ける。

 

友達が言う。『今だ』

 

奴は休憩をする様で、

 

自転車から離れた。

 

 

おぃ!それは…といいたくなるほどの

 

鍵の量。どうやって集めたかは聞かない。

 

それをこいつのチャリの前輪と後輪に付けた。

 

おびただしい数の鍵。

 

こんな周りに店もないところ。

 

助けを呼ぶのは至難の業だろう。

 

キツネ号…かたきはとったぞ。