ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

人生色々

こんにちは。今日もなんとなく書きます。

 

仕事柄、相方を失った人とよく会う。

 

以前は『そうなんですか』と聞き流し、

 

次があるのでと立ち去った。

 

そんな話を聞いていても、お金にならない。

 

上司からそう言われていたからだ。

 

転職して、同じ仕事に着いた。

 

あの時、無駄と言われた話に、最近は付き合う。

 

『まぁ、あんたにはわからないだろうけど』

 

それを言われた時だけ、彼女の話をする。

 

 

立ち直るのに時間がかかった。

 

日々の忙しさから、悲しみから離れる。

 

だけど、1日も忘れたことがない。

 

 

当たり前になっていた事が壊れると

 

言葉にならない様な悲しみに包まれる。

 

その人は、風呂で倒れて意識を失った。

 

意識をなくす前のぼやける記憶の中で、

 

その人の奥さんが、泣きながら

 

怪我の処置をしていたのが見えたと言う。

 

しばらく意識を無くしていて目が覚める。

 

奥さんが持ってきたであろう髭剃りや、

 

好きだった漫画の本が病室にあった。

 

早く戻ってやらねばと、医師に話すと

 

なんか言葉をにごされたそうだ。

 

リハビリを始めて告げられたのが、

 

奥さんが亡くなったという事。

 

自分は助けてもらったのに、

 

妻が危ない時、寝てるだけだった。

 

それが悲しいと言う。

 

リハビリを終えて帰宅したら

 

奥さんは、小さな四角い箱の中にいたそうだ。

 

 

家に戻っても不自由すぎて、杖で歩く。

 

2階には行けないと言われたそうだが、

 

妻の思い出の品があり、2階に行こうとした。

 

階段に到達さえしない、隣の部屋で転び、

 

アゴを負傷。1人起き上がるのも忘れて

 

わんわん泣いたという。

 

 

何を取りに行こうとしたの?

 

そうたずねると『妻の枕だよ』と答えた。

 

使っていた物で、香りがする様な物じゃ、

 

そばにおきたいのは当然だろうな。

 

すっと立ち上がり、2階に行き、

 

枕を手渡した。

 

クンクンして喜ぶ姿を思い出した。

 

そして、その人も数ヶ月後、心不全を起こし

 

他界した。

 

2人が再会出来ている事を願っている。