ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

小さなメバル

こんばんは。今日もただなんとなく書きます。

 

ドラクエ小さなメダル

 

よく集めたよ。

 

何がもらえたか、もう忘れちゃった。

 

最近、ゲームをしなくなったなぁ…

 

 

兄が就職して寮に入り

 

2人でいた部屋が僕だけのものになった。

 

時々会いにきてくれて、

 

ゲームを買ってくれたっけ。

 

でも、父親と顔を合わせると喧嘩になる。

 

ここを帰る時は、いつもイライラしてた。

 

車の暖気がめちゃくちゃうるさいから

 

そういうのもあったのかな。

 

むしろ、泥酔して暴れる父親の方が酷いのに。

 

 

相変わらず両親は仲が悪く

 

毎朝、雨戸を開ける時は嫌だった。

 

 

日曜日の夕方の事です。

 

友達が遊びにきた。

 

親と海に釣りに行ったんだって。

 

ちっこい魚をもらった。

 

『夜に、3人で食べようか』

 

母親と話していた。

 

 

帰宅する父親。

 

機嫌が悪い。会社のイライラを

 

家に持ち帰るのは良くないね。

 

僕は部屋で静かにしていた。

 

あぁ…また喧嘩か…

 

そんな風に、怒鳴る父親の声を聞いていた。

 

 

『エエエ…』

 

ん!?

 

いつもとなんか違った。

 

嫌な感じがして部屋に向かう。

 

父親が母親の首を絞めていた。

 

父親を突き飛ばし、

 

母親を助けて叫んだ。

 

『かあさん!逃げて!!』

 

 

しばらく父親と戦う。

 

まだ力ではかなわない。

 

引き分けといったところか…

 

 

部屋に戻る時、

 

床に散らばった、小さなメバルが見えた。

 

今夜、3人で食べようか…

 

頭に母親の声が浮かぶ…

 

母さんは、この寒い中、

 

車に乗ってどこに行ったんだろう…

 

それだけが心配だった。

 

電話は、まだ固定電話しかない時代。

 

兄に連絡を取ろうにも、

 

電話は父親の部屋にあった。

 

父親は飲みに出かける様だ。

 

僕は明日からの学校に備えて

 

布団に入って目を閉じた。