ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

さようなら、ぬいぐるみ

こんばんわ。今日もただなんとなく書きます。

 

小さい頃の僕は、ぬいぐるみが大好きだった。

 

幼なじみの女の子の影響が強く

 

毎晩、ぬいぐるみと寝ていたよ。

 

3匹のぬいぐるみが友達で

 

ヒヨコ。トカゲ。胴長のネコ。

 

両親から捨てる様に言われた。

 

お前は男なんだからと。

 

捨てられるもんか!家族だぃ。

 

だけど、別れの足跡はだんだんと近寄ってきた。

 

 

僕の父親は、二十歳で黄疸になるほど

 

浴びる様に酒を飲んだ人で、酒乱だった。

 

夜中に騒ぐので、朝に雨戸を開けるのは

 

なんとも言えない恥ずかしさを感じたよ。

 

そんな人だから、僕が物心ついた頃には

 

下痢しかしない人だった。

 

私の住むこの家は、2部屋しかなく

 

洗面台は、ボットン便所の横。

 

トイレにびっちり付いた父親の下痢を見ながら、

 

歯を磨く生活をしていた。

 

昭和だのう…

 

 

胸ポケットに、ヒヨコを入れて歯を磨いていた。

 

ボットン便所に、ペッってしようとしたら

 

ヒヨコをトイレの中に落としてしまった。

 

ああああああっ!!!!

 

大事な家族を、下痢の上に!!!!

 

布団で待たせてればよかった!!!!

 

トイレまで連れて行った事を今でも後悔している。

 

欠けてしまったクシのように、

 

次々と家族を失うことになった。

 

父親に命令され、

 

僕の母が、トカゲを捨てた。

 

隠されただけかと思って、必死に探したよ。

 

なんて残酷な事を!!!

 

でも、まだ僕には、胴長のネコがいる。

 

こいつだけは、僕の枕でもあり、

 

失う事はないだろうと思っていたんだ。

 

 

朝、ラジオ体操の帰り道。

 

ギラギラする太陽がもうすぐ出てくる。

 

朝露の光る、オシロイバナの並ぶ通路を帰宅。

 

こいつは、パラシュートみたいに遊べるんだ。

 

夏休みの朝は、なんかワクワクする。

 

…ん!? え!? ああぁっ!!!

 

収集を待つゴミ捨て場に、

 

胴長のネコがいた。剥き出しで捨てられて

 

カラスにやぶられた、他のゴミ袋からの

 

汚いゴミを浴びている。

 

目を疑うが、これが現実だった。

 

出勤前に、父親が捨てて行ったのだ。

 

うあああああ!!!ふざけんな!!!

 

 

この日、優しい気持ちも、ぬいぐるみと共に捨て

 

坂の上の地域のメンバーと共に遊ぶ事を誓った。