ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

送別会

こんにちは!今日もただなんとなく書きます。

 

日曜日。

 

タバコを買いにコンビニに。

 

少し離れたコンビニにしてみた。

 

うぅ。寒い。すぐに車の窓を閉めた。

 

途中の宝くじ売り場に人の列があった。

 

あの中に、高額当選者がでるといいね…

 

あ!!クソ!!この信号、長いのに!!

 

信号に引っかかり、歩道側に目をやる。

 

あ、この建物、前は白と緑だったのに…

 

記憶の頃の僕は、まだ若かった。

 

今この建物は、黄色と茶色。

 

…ふふ。プリンみてぇだな ♪

 

あの頃と変わらない部分もある。

 

特に、この電柱ね…

 

背景の建物が黄色と茶色なので

セピア色に感じる。

 

 

『お疲れ様でした!!』

 

送別会をしてもらった。

 

会社を辞めたのだ。

 

ガンガン飲ませてくる。

 

中には、原液飲ませてくる奴もいた。

 

 

ふぅ。

 

はぁ。

 

酔いをさましたくて、

 

みんなの送りの申し出を全部断った。

 

家まで徒歩ってのも中々ないから、

 

こんな機会にやってみようと思ったのだ。

 

酩酊直前、トイレに行った。

 

鏡に映る僕は、父親に似てきた。

 

まだ。まだ平気。自分に言い聞かせる。

 

酔って失禁する父親を反面教師にしていた。

 

 

ああぁ〜。

 

ふあぁ。

 

とぼとぼと歩く。

 

歩行者用の信号が断滅した。

 

おっと、急がねば!!

 

 

は…はぁ。

 

ふ、ふぅ。

 

今、走って横断したせいか、

 

急激に酔いが回って来た。

 

きっと、今誰かと会話しようもんなら、

 

ろれつが回っていない事だろう。

 

 

ううぅ。

 

うううぅ。

 

超ダルい!!

 

普段酒に強いのに、ここまで酔いが回るとは。

 

手に持ってる物が、とてつもなく重い物に感じる。

 

僕は、少し休む事にした。

 

 

暖かみのあるライトが、昇りの階段を照らす。

 

ここは…アパートか…

 

限界を感じた。自分の家じゃないのに

 

アパートの階段に腰を下ろす。

 

時間も遅いから、寝静まっている。

 

僕に気がつくのは、

 

この時間も走る車くらいなもんだろう…

 

 

白くて緑なんだぁ…

 

白と緑…メロンフロートか…ハハハ…

 

炭酸の泡を思い描いたら

 

少し吐き気を感じた。

 

おっと…吐くわけにはいきませんよォ。

 

僕は立ち上がるが、もう一回座る。

 

ゲロ…ゲボね。コーンポタージュかぁ…

 

普段、交通違反の取り締まりしてるところで

 

コーンポタージュをうっかりこぼしたら、

 

その日は、隠れる様に設置されてる椅子が

 

見える位置にあったとか。

 

『うわ!これ、ゲボ!?』みたいに避けたのかな?

 

そんな話を思い出した。そのあとすぐに、

 

海でアオリイカを釣る人が、

 

釣れないところを釣れる様に見せるために、

 

墨汁撒いたって話も…

 

ははは…しょーがねぇな…

 

変な事を思い出すと、僕は酩酊から少し回復する。

 

 

さぁて、帰りますよォ。

 

立ち上がる。

 

持っている物が重い。

 

ただの花束なのに!!

 

ああぁ…無理!!!

 

手に何かを持ってる感覚だけで気分が悪くなる。

 

僕は、目線の先にある電柱を見つめる。

 

はぁ、ふぅ、はぁ。

 

花束を…ここに…

死亡事故現場を作ってしまった。

 

 

信号が青になった。

 

ギアを1速に入れる前に、

 

チラッと横を見る。

 

セピア色の電柱に、色が戻った気がした。