ただなんとなく生きてます

僕が天に召される日まで、ちまちま書いてみるよ。

友達を守りきれ!

こんばんわ。今日も、ただなんとなく書きます。

 

就職氷河期の僕は派遣会社に登録した。

 

そこで出会った友達がルームシェア

 

相談してきたんだ。

 

男だけ3人で暮らす家に

 

4人目として参加した。

 

僕が出会った人は、

 

なんか気弱な人で

 

いつも派遣先でいじめられて

 

その都度、かばっていた。

 

 

僕よりも過酷な派遣会社に登録していた。

 

僕も真似して登録して追いかけた。

 

初めて行ったところは、建築現場でした。

 

腰を痛めたり、指を無くしたり

 

最悪、死んでしまう現場もあったよ。

 

吊り下げた鉄板が落ちて来たんだ。

 

ただの板なのに、とんでもねぇ重量で

 

下にいた人は亡くなった。

 

建築現場と聞くと勇ましいイメージだけど

 

内容は掃除。スクレーパーをもって

 

床をカリカリやってるだけでした。

 

 

ヘルメットは、旅行カバンの様に

 

関わった現場のシールが貼られ

 

シールだらけの冷蔵庫みたいになった。

 

慣れてくると、違う仕事に飛ばされる。

 

同じ人間だろ?って聞きたくなるような職場もある

 

この友達が『いじめがひどい!』っていうとこは

 

僕もくっついて行く様にしてみたんだ。

 

あまりにも酷くて笑えるくらい。

 

 

今日も疲れたね!ってお昼のラーメン食べてたら

 

指導する奴がトコトコきて、

 

うちらのラーメンを

 

水切りネット付きのゴミ箱に流した。

 

北の国からのセリフが出そうで

 

笑いそうになった。

 

『いこ!いつまで食べてんの?』

 

あはは。捨てる事はねぇだろ。

 

ヤベェとこばかり派遣されてしまう。

 

 

友達が『たすけてー!』という現場。

 

コンベアから流れてくるやつを

 

台に乗せるんだけど

 

そいつのポジションは

 

誰も入りたがらないところでした。

 

[助けてって言ってますけど?]

 

上司らしきやつに話しかけた。

 

(じゃあ!お前行け!)

 

小さめの金属が流れてくる。

 

みんな簡単だと思って持ちに行くと

 

激烈に重いのさ。だからみんな行かない。

 

僕の力でも、片手で持ち上がらなかった。

 

両手で持って、うおおぉ!と言いながら

 

台に乗せた。ぶへー!!!

 

息を吐いて次に備えようとしたら

 

同じのが4個、楽しそうに流れて来た。

 

こんなのこいつにやらせてなるものか!って

 

その日を耐え抜いた。

 

お金をもらった。7,900円

 

あはは。割りにあわねぇ!!

 

本当は、いくらもらえる仕事なのか

 

どんだけピンハネすんだよ!って思うね。

 

 

僕とこの人の、妙に気が合うところは

 

そこで見たものを自分の生活で

 

いつか役に立てたいなってとこだった。

 

さっきの、あれ見た?って話をすると

 

やはり同じ感想を持つんだ。

 

配線の先端が磁石になってるケーブル。

 

USBの先端が磁石で、抜き差しでの端子劣化を

 

緩和してくれるものがあると思うんだけど

 

それの先駆けみたいなのを見た。

 

あとは、かまぼこ床。

 

この床に1,000kgを超える様な重量物が乗っても

 

片手で押せるくらい床が滑る。

 

後に僕は、それと似た仕組みの板を手に入れたよ。

 

今でも使ったりする。すげぇね。

 

2人で、あの工具すげぇな!いくらすんだ?とか

 

あれ、調理器具になんじゃね?みたいに

 

アホな話をしてキツい仕事を耐え抜いた。

 

 

ある日、友達が言う。

 

みんなで関西に行こうと思う。

 

もちろん一緒に来てくれるよね?と。

 

僕は断り、この生活は解消される。

 

この街を出るつもりはなかったんだ。

 

 

お別れする最後のミッションが来た。

 

面接の時に

 

握力を測定させられる。

 

左手でやろうとしたら、

 

『右だよ!バカ!字も読めないのか?』

 

と笑われた。

 

僕は、26って数字を見せた。

 

面接官2人から

 

『おめぇ、女かよ!今まで何して生きて来たんだ。』

 

『お前、無理かもな。帰るか?』

 

と爆笑された。

 

…僕は左利きで50を超えるのに。

 

仕事は、木の棒に、樹脂の外皮を握って付ける事。

 

それを1日中やる。

 

それで握力がいるんだね。

 

やってみたら、別に左手でも出来る。

 

なんの測定だったんだろうね。

 

友達を庇いつつ、仕事を終えた。

 

2人とも手がパンパンに浮腫んだ。

 

 

同じ場所に配属され、助け合える。

 

そんな自由があったからできた事で

 

そんな事は許されない現場は多々あるよね。

 

なんとか友達を守り切った。

 

別れの日に友達は涙を見せ、

 

僕に料理を振る舞ってくれた。

 

調理師の免許があった事を隠していて

 

とても美味しい料理だった。

 

ちょうど、僕の誕生日だったんだ。

 

僕へのプレゼントは

 

モンスターハンター』というゲームだった。

 

僕はこれを宝物にして今でも持っています。

 

有名な人気作になるゲームだとは

 

初代ではみんな思わなかったろうね。